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ダニエレ・キエトは何者? インテル・プリマヴェーラの10番は早くもA代表へ

プレーはロナウジーニョに憧れつつ、ピッチ外では読書やクラシック音楽、ヨガを好む青年

インテルのプリマヴェーラに在籍するダニエレ・キエトが、ベネズエラ代表に招集されるようだ。イタリアの世代別代表を経験してきた注目の若手はどんな選手なのか。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』『PassioneInter』『MondoPrimavera』などをもとに紹介する。

プロフィール

ダニエレ・キエト(Daniele Quieto)

生年月日:2005年10月22日(18歳)
国籍:イタリア、ベネズエラ
ポジション:ウイング、攻撃的ミッドフィルダー

これまでのキャリア

ダニエレ・キエトは、ベネズエラにルーツを持つが、イタリア・ヴェネツィア生まれ。3歳の頃に兄と一緒にカルチョを始めた。サッカースクールでは常に最年少だったが、全く問題とせず、その才能は早くから際立っていた。

2014年、地元のヴェネツィアFCの下部組織に加入したキエトは、その後、類まれなる才能を発揮して成長を遂げた。プレースタイルは、自身が憧れの選手として挙げるブラジルのレジェンド、ロナウジーニョに強く影響を受けており、卓越したテクニックと創造性を持つ選手として評価されてきた。

2019年、インテルはこの才能に目を付け、キエトを獲得した。インテルの下部組織に加入してすぐに潜在能力を発揮。2020/21シーズンのU-17チームでのデビューを皮切りに、短期間でチームの中心選手へと成長を遂げた。

2022/23シーズンには、U-18チームで主力として27試合に出場し、8得点5アシストを記録するなど、攻撃面での貢献が光った。プリマヴェーラに昇格した2023/24シーズンには、クリスティアン・キヴのチームで主に左ウイングを務め、リーグ戦で5得点4アシストを記録チームの重要な存在となった。

そして2024/25シーズンは、イシアカ・カマテが抜けたことで10番の背番号を背負っている。

プレースタイル

キエトは、右足を得意とする左サイドのウイングまたは攻撃的MFとしてプレーする。特に低重心と鋭いドリブル、そして創造力に優れたパスがストロングポイントだ。彼のプレースタイルは、伝統的なウイングとは一線を画し、むしろアドバンスド・プレイメイカーとしての資質を備えている。多くの得点機会を創出し、自身でもゴールを狙えるタイプだが、得点力の向上が今後の課題として挙げられる。

フィリッポ・インザーギを魅了

8月23日の『ガゼッタ・デッロ・スポルト』では、キエトのヴェネツィアが紹介された。2016年、ヴェネツィアを指揮していたのはシモーネ・インザーギ監督の兄フィリッポ・インザーギ監督だ。そこでキエトはトップチームの監督を驚かせていたという。

ヴェネツィアの練習場はいつも17時頃に終わる。フィリッポ・インザーギ監督らコーチ陣はそこからミーティングを行うが、そのタイミングで若手の練習が始まるという。そこに現れ、リフティングを全く落とさず、ドリブルを始めれば次々と相手を抜いていく選手がいた。「あの10番なんて子?」。ピッポがそうスタッフに尋ねた選手こそ、キエトだった。

マメ知識

  • キエトの憧れの選手はロナウジーニョ。YouTubeで何度もチェックして、スキルを真似てきた。
  • 父はヴェネツィアの人で、母がベネズエラ人。これまで各世代別のイタリア代表を経験してきた。2022年にはU-17 EUROに出場。今年2月にU-19に招集された。ただ、今回ベネズエラのA代表に呼ばれることになった。
  • テレビゲームよりも読書が趣味。音楽はクラシックが好きで、時間があれば、兄とともにスカラ座へオペラの公演を見に行く。
  • 約1年前からヨガを始めた。これが心身のリラックスに役立っているという。

未来への期待

魔法の右足を持つキエトは、これからさらに注目される選手になりそうだ。プリマヴェーラで見せる左ウイングからの仕掛けは、トップチームでも見てみたい能力である。ただ、シモーネ・インザーギ監督のトップチームではウイングがないため、なかなか出番は訪れないかもしれない。それでも、インテルはこの夏にバレンティン・カルボーニをマルセイユに放出し、噂されたアルベルト・グズムンドソンの獲得も実現しなかった。自ら仕掛けられるタイプのアタッカーはインテルにとって欲しい人材であり、そのうちデビューの機会が訪れるかもしれない。

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