タジョン・ブキャナン長期離脱で補強に動く王者
インテルは2024年夏のメルカートで左センターバックの補強に動いている。さまざまな候補がいた中で、メルカート最終日に加入が決まったのがトマス・パラシオスだ。アルゼンチン人DFはどんな選手なのだろうか。イタリアメディア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』『passioneinter』『tribuna』を参考に紹介する。(2024年9月1日更新)
プロフィール
トマス・パラシオス(Tomás Palacios)
生年月日:2003年4月28日(21歳)
国籍:アルゼンチン
ポジション:センターバック
身長:196cm
これまでのキャリア
パラシオスはアルゼンチンのラ・パンパ州ヘネラル・ピコで生まれ、地元のクラブでキャリアをスタートさせた。幼少期はその高さと空中戦の強さを活かしてセンターフォワードとして起用されていた。しかし、次第に左足の技術とプレービジョンが評価され、中盤へとコンバートされた。
その後、2019年にトライアルを経てタジェレスのユースチームに加入したことが大きな転機となる。ここでディフェンダーとしての才能を開花させ、守備におけるポジショニングの巧みさや、ビルドアップの能力が注目を集めた。2022年4月には、コパ・デ・ラ・リーガでデフェンサ・イ・フスティシアを相手にトップチームデビューを果たした。
その後、2023年にはインデペンディエンテ・リバダビアにレンタル移籍し、ここでもその存在感を示している。アルゼンチンのプリメーラ・ディビシオンでのプレーに加え、U-20アルゼンチン代表にも招集され、ハビエル・マスチェラーノ監督率いるチームでプレーした。
そして2024年夏にインテルへの移籍が実現。イタリアで新たなスタートを切ることが決まった。
プレースタイル
パラシオスは、196cmの長身を活かした守備力と技術力を併せ持っている。インテルが探している左利きの選手で、もちろんフィード能力も高い。ビルドアップに貢献できるモダンなタイプのセンターバックだ。
守備面では、ポジショニングの巧みさや1対1での強さが際立つ。相手のボールを確実に奪取し、フィジカルを活かしたディフェンスが特徴だ。もちろん、空中戦の強さは攻撃のセットプレーでも強さを発揮する。インデペンディエンテ・リバダビアは5−3-2のシステムをメインに戦っており、パラシオスは左センターバックを務めた。シモーネ・インザーギ監督のシステムにも適応できそうだ。アルゼンチンの下位チームで後方からビルドアップするチームは限られるが、パラシオスがいるインデペンディエンテ・リバダビアはそれが可能だという。
マメ知識
- 幼少期はセンターフォワードとしてプレーしており、特にヘディングでの得点力が評価されていた。本人は「相手ゴールに近づくと、こどもの頃にFWをしていたことを思い出す。それが正しい選択につながる」と語っていた。
- タジェレスのユースチームに入団してからディフェンダーにコンバートされた。
- U-20アルゼンチン代表に選出されるも、2023年に行われたU-20ワールドカップには最終選考で落選した。
- インデペンディエンテ・リバダビアでの活躍により、ボカ・ジュニオルスを含む複数のクラブから注目を集めた。
- イタリアでは、アレッサンドロ・バストーニにプレースタイルが似ていることから「アルゼンチン版バストーニ」と紹介された。また、若くて安い大柄な有望株ということで「新たなヤン・ビセック」という紹介のされ方もある。
- インデペンディエンテ・リバダビアとタジェレスが保有権を半分ずつ有している模様で、インテルは両クラブと話す必要が生じていたようだ。
- 冷静さも特徴。トップチームデビューのあとでも冷静で「緊張したのは主審がホイッスルを吹くまでだった。スタンドの5万人の方がナーバスだったね」と語っていた。
- インテル公式メディアのインタビューで、過去に所属したアルゼンチン人選手から何を盗みたいかと問われた。その際の回答は、ワルテル・サムエルから「アグレッシブさ」、エステバン・カンビアッソから「スピード」、ハビエル・サネッティから「ファイターであること」、ディエゴ・ミリートから「ゴール」、ニコラス・ブルディッソから「フィジカル」、フリオ・クルスから「スピード」。