ザークツィー、ルカク、インザーギ…。インテル副会長が様々なテーマを語る
インテルのハビエル・サネッティ副会長が、『ラジオTVセリエA』のロングインタビューに応じた。
2つめのステッラが意味するもの
「とても重要な場所であり、感動的だね。誰もがイタリア王者の座を待っていた。私に対するチャントもあって、ネラッズーロ全体の信じられないほどの熱気が伝わったよ。いつもいっていたとおり、インテルは私の家族であり、私たちは完全に一つなんだ」
スクデット
「念願だった。シーズン初日からこの目標を目指してきた。自分たちが強いことは分かっていたけど、それでもピッチで示さなければいけなかった。インテルは素晴らしい試合の数々をして、ティフォージは楽しんだ。こういったプレーを観ると、ティフォージはその一員であることを誇りに思えるだろう。私たちは隠れることをせず、常に目標を公言してそれを成し遂げたんだ」
2つめのステッラという強迫観念があったのか
「それは全くなかった。それは私たちの価値観にないことだ。毎週の試合ごとに夢を実現してきた。1試合という試合の中を除けば、チームが困難に陥ったことはなかった。そうやって毎週末を過ごして、重要な1ページを記したんだ」
2つめのステッラはどこで生まれたのか
「1月は間違いなく重要な1カ月だった。たくさんの試合があったね。困難はあったけど、そこでの勝利で疲労を乗り越える精神的な強さも持てた。その次の月が重要だと分かっていたから、最善の形で準備を整えたね」
ミラノダービーでスクデット
「初めてのことで、歴史的だね。こういったことが起こる可能性というのを最大限に活かせた。難しい試合になることは分かっていたよ。相手はなんとしてでも阻止したいはずだったからね。その中でチームはよくやった。最後の数分間の苦しみは、私たちのDNAの一部だ。試合終了のホイッスルのあと、もう何が何だか分からなかったね」
シーズン開幕の段階で最も恐れていたチームは?
「ナポリは監督がかわったけどチームの価値が高いと感じていた。ミランとユヴェントスも、同じ目標を持っていた。ただ、自分たちがやるべきことをやりきったら、ほかのチームにとって困難なはずだと考えていたよ。言葉は少なく、行動をたくさん、ということを意識して、このチームを築き、彼らが練習に励むところをみてきた。選手たちは、それぞれが重要な存在だと感じていた。それはインザーギと彼のスタッフによる素晴らしい仕事のおかげだね」
昨季はインザーギ監督が苦しんだ
「彼は、困難の中でも冷静さを保ち、自分にできることが何かを考えた。結果に関係なく自分の仕事を信じて貫く特別な才能があったね。外から激しい批判を浴びていたが、そういったときに監督をサポートすることで、クラブがより強固になる。旅は良い時もあるが、悪い時もあるものだね。もし、私が監督を信頼していれば、最初の困難で別れるようなことにはならない。多くの試合が、負けるような内容ではなかった。だから時間の問題だったんだ。そして、チャンピオンズリーグ決勝に進み、私たちがシモーネを信じるのに役立った。私たちはいつも監督に寄り添っていたし、彼の仕事を信じていた」
インザーギのインテリズモはどう説明できるのか
「彼はすぐにティフォージに感情移入した。その謙虚さと冷静さが、ティフォージに伝わったんだ。一部の怒っていたティフォージも、結果が出てきて変わっていった。ただ、彼は結局のところ、インテルのファミリーを愛したんだ。アッピアーノでも笑顔だし、幸せそうだよ」
ジョゼ・モウリーニョとの比較
「別の人だね。インザーギはとても落ち着いている。モウはパーソナリティーが強烈だった。ただ、どちらも勝利に導くリーダーであることは間違いない。モウが何をしたかは私たちが知っている。ジュゼッペ・マロッタが言ったとおり、インザーギは私たちをたくさんの成功に導いてくれるだろう。まだサイクルの途中なんだ。私たちはお互いのことを知っている。この結果にチームのスピリット、そして選手たちの帰属意識は、私たちに大きな安心を与えてくれる。これが長く続くことを願っている。こういったチームをみられてうれしいね」
スクデットの顔は?
「たくさんいるね。ただ、ラウタロがゴールを決めたとき、この瞬間が訪れることを強く望んでいるようだったね」
新戦力
「テュラムがいきなり活躍してくれたのはうれしいサプライズだった。別のリーグからきたFWというのは簡単ではないものだからね。彼はいつも笑顔で幸せそうだ。パヴァールもそうだけど、新戦力はみんな良かった。ゾマーもそうだし、フラッテージも時間が限られる中で結果を出した。エラス・ヴェローナ戦は本当に不運だった。彼はピッチに立つと決定的で、彼は自分が重要だと理解している。そういった選手の存在が重要だったんだ」
ラウタロ・マルティネスとマルクス・テュラムのコンビ
「みんなを驚かせたね。特長が違う2人だけど、すぐに意気投合して、ピッチの内外で理解し合った。そういう関係になると、ピッチ上でお互いを見つける機会もたくさんあるものだね」
アンドレ・オナナの後釜にヤン・ゾマー
「オナナはとてもよくやってくれたが、ゾマーも大きな安心を与えてくれた。とても真面目で、プロ意識が高い。彼のような選手が私たちのチームにいてうれしいね」
ハカン・チャルハノール
「本当に偉大だ。パーソナリティーがすさまじいし、魅了してくれる。このユニフォームで勝利を手にするのにふさわしいね」
ヘンリク・ムヒタリャン
「チームの頭脳で、考える選手だ。彼には何も説明する必要がないね」
ニコロ・バレッラ
「リーダーとして素晴らしいシーズンだった。攻守両面でチームメートに戦っていた。最も大事なことだね」
フェデリコ・ディマルコ
「彼のこどもの頃からの夢だった。フェデは私たちと一緒に育ち、一時は離れ、そして男になって戻ってきた。彼のインテリズモをみたね。彼がどれほどこのユニフォームで勝ちたいかというのを、自分が主人公になって成し遂げたんだ」
インテリズモはどれだけの違いを生んだのか
「おっきいよ。クラブ、ティフォージ、選手の間に、特別なものが生まれた。それが大きなものを勝ち取るカギになったんだ」
ロメル・ルカクを許した?
「許すという言葉が正しいかは分からない。あのときはタイミングがタイミングだっただけに、私たちは失望した。もしそうだったら、別の戦略を採っていたはずだからね。ただ、彼のキャリアの幸運を祈っているよ」
エディン・ジェコは、このチームでもうまくいったのでは?
「そうだね。彼はインテルに対して大きな愛情を示していた。だから、彼はこのチームにいたら、最も幸福な選手の一人だっただろう」
あなた方ディレクター陣がしたベストなことは?
「主役はミステルであり、スタッフであり、選手たちだ。私たちは外からみて、チームがまとまっていると感じていた。大きな目標に届くのは決まってそういうときだね。ピッチの内外でまとまっていたよ」
あなた個人としては?
「この勝利を目の前でみられて幸せさ。外からこのグループの働きぶりをみてうれしかった。自分の経験をいかして、インテリズモの注入に貢献できていたらうれしい。ミステルとインテルのみんなが、私を喜ばせて、誇り高い気分にさせてくれる」
次のステップは?
「この取り組みの姿勢と集中を、すべての大会で維持するということだ。チームを強化する機会があればそうするけど、まずは2つめのステッラを守り、チャンピオンズリーグでもっと前進し、さらに重要なクラブワールドカップもある。たくさんの試合があるから、チームの規模はより大きくなるだろうね」
次のサイクルの戦略は同じ?
「このまま進んでいきたい。とても強いベースがあるからね。その上で、ミステルが検討する大事な機会があれば動くかもしれない」
ジョシュア・ザークツィー獲得の噂
「素晴らしい選手だね。若くて才能にあふれているし、賢さもある。フィジカルも強い。そういった選手は、大きな目標を目指すどのチームにも求められる。私たちは、機会があれば考える。もし、ザークツィーにラウタロにテュラムとそろったらどうだろうか。若い強力から、安心だろうね」
ラウタロ・マルティネスとニコロ・バレッラの契約延長
「どちらも続けたいという意思を持っているから大丈夫だろうね」
インテルはチャンピオンズリーグで優勝候補になるのか
「すごく難しい大会で、些細なところで決まるものだ。優勝候補と言うには、ほかのクラブを見てリスペクトを払わなければいけない。私たちに言えるのは、戦えるということだね。決勝でマンチェスター・シティに敗れ、ラウンド16でアトレティコ・マドリーに屈した。私たちとしては、競争力を維持したい。アトレティコ・マドリーとの2試合ではチャンスがあったものの、PKで敗退という悔しい結果だった。でも、このグループに恐れは必要ない。粘り強く取り組んでいかないとね」
クラブワールドカップ
「主要クラブが参加する名誉ある大会だ。参加できることを誇りに思うし、その主役になりたい。ファイナルステージに進めたら素晴らしいね。夏は忙しくなるだろうけど、参加できるのはうれしいことだ」
あなたの夢は?
「この大きな勝利から継続していくことだね。あとは副会長としてチャンピオンズリーグのことを考えているよ」