「カルチョ無償化」を夢見るインテルCEO
インテルのジュゼッペ・マロッタCEOが17日に公開されたポッドキャスト『ウルフ ストーリエ・ケ・コンタノ』に出演し、様々なテーマについて語った。
インテルはカンピオナートで他を引き離している
「それは言い過ぎだ。まだ途中の段階だね」
ディレクター・マロッタはどう誕生したのか
「私はカルチョに情熱を注いできた。幸運にもヴァレーゼのスタジアムの近くに住んでいたからね。倉庫担当のボスから交渉術の手ほどきを受けたみたいなものだ。練習を覗かせてもらうかわりに、掃除をしたり、スパイクを磨いたり、ボールの空気を入れたりしたね。あれは私にとって素晴らしい練習だった」
ヴァレーゼでは何を?
「法律を学んでいた。同時に、ユースセクターのディレクターを任せてもらう幸運に恵まれた。当時の年齢でできる最高の経験だったよ」
才能と応用力のどちらが大事か
「どちらもだ。私はユーヴェのときにクリスティアーノ・ロナウドを連れてきた。そしてメイド・イン・イタリアを掲げてブッフォン、キエッリーニ、ピルロ、バルザーリといった選手と一緒だった。彼らは真のカンピオーネだった」
クリスティアーノ・ロナウドのような契約を再びやることはあるか
「そのことはいろいろと言われているね。それが会長の関係悪化の一因でユーヴェとの契約解除につながったという話も言われるくらいだ。おそらく、彼の貢献は期待されたほどのものではなかったかもしれない。カルチョはそういったことの上で構成されていくものだ」
なぜユヴェントスを去ったのか
「ある程度年齢がいったら、若手に道を譲るのは正しいことだ。ユーヴェは、アンドレア・アニェッリをトップとして、優秀な若いディレクターたちがそろっていた。彼らが刷新を選んだのは正しいことだ」
ユヴェントスからインテルへ行ったときは?
「最初は笑い者だったね。そこで我慢をして、功績をあげるために尽くした。時間が必要なことはスポーツの世界でよくあることで、結果で自分が正しいことを証明するものだ。幸運だし、感謝もしているが、私はインテルにきてから、常にそうしてきた。そして結果を残して、いまは大抵のインテリスタから好印象をもってもらえていると思う」
最もいまに活かされている経験は?
「どのクラブでもたくさんのことを学んできた。プロヴィンチャからゆっくりと学んできたよ。一番感動的だったのは、ヴェネツィアでのセリエB優勝だろうか。総督が乗るブチントーロ(船)で運河に出てお祝いしたね。あのときは天にも昇る心地で満足したけど、そこで終わりじゃなかった。そこからさらにハードルを上げて、ほかの満足も手にすることができた」
いまの目標は?
「いまは何よりも、人間性のところを重視している。私は人生、特にカルチョでいろいろなものを受け取った。だからこそ、何かで報いなければいけない。最近インテルとの契約を更新した。チャン会長には感謝している。インテルでのキャリアが終わったら、おそらくもっと社会的なところからカルチョに携わるつもりだ。イタリアはほかのヨーロッパの国々と比較してだいぶおくれている。子供たちがお金をかけずにプレーできるような環境を整えたい。無償で学校に通えるのと同じようにね」
サッカークラブを買うのはビジネスとして良くないことなのか
「カルチョはなかなか儲からない。会長は情熱でこの世界に飛び込んでいるが、この世界で経済的に破滅した人はたくさん知っているよ。サッカークラブは、公共の利益を持つ民間企業と言える。なぜなら、みんながクラブについて話すからだ。あるチームのファンであれば、感情を持ってその運命に加わり、それが生きる理由にもなる。だからこそ、持続可能性を追求して稼ぐことは難しい」
外資の参入
「いまのイタリアにおいて、外国人の存在感は強い。ミラノの2チームは中国とアメリカだ。私の知っている限り、チャンファミリーがいなければ、インテルがどうなっていたか分からない。継続性を持つためには、やはり国外から資本を得る必要がある」
クルヴァとは?
「情熱的なフェノーメノだ。とてもポジティブな応援だ。スタジアム内の暴力も、70年代や80年代に比べて大幅に減っているね」
ユヴェントスとインテルで最も象徴的なカンピオーネは?
「カルチョ好きとして、ユーヴェではシヴォリとデル・ピエロを挙げる。インテルではサンドロ・マッツォーラは60年代から80年代にかけて最高だった。近年ではハビエル・サネッティだ。3冠のカピターノだね」
イタリアで最高の監督は?
「監督の役割はとても進化している。彼らはちょっとした起業家だ。その上でカルロ・アンチェロッティを挙げるよ。どこ国へ行っても結果を残してるからね。サッキ? イノベーターだね。違うカルチョをつくりあげた人物だ」
クラブにお金があっても魂がないというのはいつ感じるものか
「リーダーシップの有無が大事だ。ロッカールーム全体が同じ方向を見ていないと、価値観がばらついていく。基本的にリーダーは監督で、あとは選手たちの個性だ。ユーヴェには2人のリーダーがいた。ブッフォンがしゃべり、ピルロは黙っていたよ」
ルチアーノ・モッジはインテルがスクデットだと言っていた。選手層がその理由
「そうだね。我々は各ポジションに2人いる。それが競争力をもたらしてくれている」