かつてインテルのユニフォームを着たインテリスタ
インテルは2日、ユースセクターの責任者にマッシモ・タランティーノが就任したことを発表した。33年間をインテルで過ごしたロベルト・サマデンが去ったポストにやってくるのは、どんな人物だろうか。
1971年生まれのタランティーノは、元インテルのディフェンダー。ただ、多くのインテリスタが記憶にないのは仕方がないことだ。
タランティーノはカターニアでプロデビューを飾ったあと、ナポリなど複数クラブで活躍し、1996年夏にインテルへの移籍を果たした。
インテルは幼い頃からタランティーノが応援していたクラブであり、夢の実現となっている。しかし、加入後すぐに大けがで離脱となり、公式戦の出場はコッパ・イタリアの2試合のみ。1997年にボローニャへ移籍し、インテルでのキャリアは幕をおろした。
2006年にパヴィアで現役を引退したタランティーノは、すぐに同クラブでディレクターとして働き始めた。2010年にボローニャのユースセクターを担当するようになり、2013年からはローマのユースで責任者に。2021/22シーズンはSPALのテクニカルディレクターを務め、最近までシエナのスポーツディレクターだった。
タランティーノはインテル復帰を喜び、次のようにコメントを残している。
「インテルのようなビッグクラブに加わることに、喜びを感じずにはいられない。インテルの試合をラジオで聞いて育ったんだ。選手としてはあまり多くの経験ができず夢に触れることができなかったが、いまこうして新しいチャンスをもらった。インテルは常にそうしてきたし、私もできる限り貢献したいと思っている」
マメ知識
2022年10月27日、ミラノ近郊のアッサーゴにあるスーパーマーケット「カルフール」でモンツァのパブロ・マリを含む5人が刺される事件が起きた。1人が死亡、4人が負傷する大きな事件の際に活躍していたのがタランティーノだ。
家族とともにたまたま買い物に来ていたタランティーノは、46歳の犯人と対峙。凶器のナイフを弾き飛ばすなどして、警備員が駆けつける前に脅威を取り除いた。
その際、タランティーノは「大したことはしていないし、私はヒーローではない」と『ガゼッタ・デッロ・スポルト』にコメントを残していた。