フランス代表FWが加入
インテルが7月1日、マルクス・テュラムの獲得を正式に発表した。インテルにとっては、2年越しの実現とも言える。
今夏の補強でミランからの関心が盛んに報じられていたテュラム。ミラン行き間近という報道もあった中でのインテル移籍ということで、“強奪”という見方もあるが、インテルも長期的に追ってきた選手であることも事実だ。
2021年夏
スクデットを獲得してアントニオ・コンテが去り、シモーネ・インザーギを新監督に迎えたインテル。このときにインテルはロメル・ルカクがチェルシーへと移籍し、前線の補強が注目されていた。
そんな中で話題になったのがテュラムだった。長い交渉の末、ボルシア・メンヒェングラッドバッハが値引きに応じ、2500万ユーロ程度の移籍金で決着がつきそうだと報じられたのが8月20日のことだ。しかし、翌21日に行われたブンデスリーガのレバークーゼン戦でテュラムがひざのじん帯を痛めて長期離脱が確定。インテル行きの話は消え、かわりにホアキン・コレアがやってきた。
2022〜23年1月
その後復帰して再びピッチで活躍するようになったテュラム。インテル行きの話題が再び強くなったのはカタールワールドカップのときだった。
テュラムはボルシア・メンヒェングラッドバッハとの契約が残り1年という状況で22/23シーズンに入った。カタールワールドカップの際にはインテル首脳陣が現地に乗り込み、テュラムの関係者と接触。このときは1月の加入もあり得ると報じられるほどホットな話題だったが、カタールワールドカップが終わって年が明け、カンピオナートが再開した頃には沈静化し、紙面を賑わす回数が減った。
ただ、その後もテュラムの話題は継続的に登場した。ロメル・ルカクの調子が上がらないうちは絶えず補強候補にあることが報じられ続けた。テュラム自身もインテル行きに前向きだと何度も伝えられている。
それでも、シーズン終盤にルカクが調子を上げ、インテルが再レンタルの意思を固めると、テュラムの話はパタリと消えた。同時にズラタン・イブラヒモビッチが現役を引退したミランが動きを強め、パリ・サンジェルマンと一騎打ちの様相を呈した。
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などは6月21日に「ミランがテュラムの獲得を楽観」と報じ、争奪戦を制したかに思われた。しかし、そこにインテルが割って入り、ミランよりも100万ユーロ高い年俸600万ユーロを支払うことで一気に取引をまとめたものとみられている。
2年前はリリアン・テュラムの息子として話題になっていたマルクス・テュラムだが、すでに父の名前がなくても優秀な選手であることは明らか。インテルでどのような活躍を見せるのかに注目だ。