幼少期イタリア→アーセナルアカデミー→バレンシアでレギュラー→アメリカ代表としてW杯
バレンシアに所属するユヌス・ムサは、カタールワールドカップでの活躍が注目される一人だ。19歳のアメリカ代表MFというだけでなく、ワールドカップに出ていないイタリアではインテルが獲得に熱心だと話題になっている。
大会中に20歳の誕生日を迎えるムサは、どんな選手なのだろうか。
プロフィール
ユヌス・ムサ(Yunus Musah)
生年月日:2002年11月29日
国籍:アメリカ
ポジション:MF
所属クラブ:バレンシア(スペイン)
身長:179cm
これまでのキャリア
ユヌス・ムサは両親がガーナ人。母がバカンスでアメリカを訪れていた際にニューヨークで生まれた。生後半年ほどでイタリアに家族で移住。カステルフランコ・ヴェネトというヴェネト州の街で育った。
ムサは2008年、地元クラブのジョルジョーネでサッカーを始めると、そこでのパフォーマンスが評判となり、2012年に家族でロンドンへ。アーセナルのアカデミーに入った。アーセナルではBチームまで上り詰めたが、トップデビューの機会がないまま、2019年夏にスペインのバレンシアへ。その1年後にトップ昇格を果たしている。2020年9月にトップデビュー。コンスタントに起用されている。
プレースタイルなど
ムサはセントラルMFを務めることが多いが、かなりポリバレントな選手。2021/22シーズンにバレンシアを指揮したホセ・ボルダラス監督は、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューの中で、ムサのことを次のように説明していた。
「パワフルで身体能力が非常に高く、個人技に長けている。そして、驚くほどのポリバレントだ。私は中盤のいろいろなところで彼を使った。だが、ウイングやセカンドトップまでこなせてしまう。本当にどこでもやれる。ポジションを変えてプレーする中で守備も向上した。ボールによく触り、シュートも打てる。一歩目が速く、1対1も抜群だ。彼には素晴らしい未来が待っている」
かつての指揮官が話すとおり、ピッチ上でのムサは、何でもできる万能MF。179cmとされる身長以上に迫力のあるフィジカルで相手の攻撃を潰すだけでなく、躍動感ある動きで相手をかわして自ら決定機をつくる場面も。
カタールワールドカップでさらなるブレークを果たしてもおかしくない才能と言えそうだ。
マメ知識
現在バレンシアを指揮するジェンナーロ・ガットゥーゾ監督とのやりとりはイタリア語がメイン。
2016年にU-15イングランド代表入り。当時はイングランドとアメリカのほか、イタリアとガーナの代表になる権利もあった。
その後U-18までイングランド代表のユニフォームでプレー。世代別代表として30試合以上に出たあと、2020年11月にアメリカA代表招集を受け、アメリカ代表としてのキャリアを始めた。
『10 numero diez』は、ムサを紹介する記事の中で、「カタールワールドカップに出る唯一のイタリア人」と紹介した。