インサイドハーフでベシーノと競争、ウイング起用も?
ラツィオに加入したサッカー日本代表の鎌田大地は、新天地でどのように起用されるのだろうか。
鎌田に求められているのは、セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチの後釜としての活躍。ただ、サウジアラビアへ移籍した大物MFとはプレースタイルが異なることも事実だろう。
ラツィオ情報を扱うイタリア『LazioNews.eu』は、鎌田の万能さに言及し、ミリンコビッチ=サビッチと違う形での貢献を期待している。ポジション争いのライバルはマティアス・ベシーノ。ただ、状況次第では4-3-3のウイングとしても起用されるのではないかと記した。
とはいえ、まず目標になるのはインサイドハーフのレギュラーポジション獲得ということになるだろう。5日付け『ガゼッタ・デッロ・スポルト』も鎌田が右のインサイドハーフに入ると予想している。
鎌田大地とベシーノの比較
鎌田とベシーノの特徴はどう違うのか。2022/23シーズンの『WhoScore.com』のスタッツで比較してみよう。ベシーノと鎌田では役割も違うため、前任者であるミリンコビッチ=サビッチのスタッツも合わせて紹介する。
トータル
全体的に見ると、ベシーノと鎌田では、鎌田の方によりインパクトがある。やはり9得点6アシストは中盤の選手として見事な数字だ。ただ、ベシーノはベンチスタートであることも多く、プレータイムに差があることは加味するべき。また、ダニーロ・カタルディの代わりに守備的MFを務めることもあるため、役割の違いが大きいのも事実だろう。
守備
実際、守備のスタッツはベシーノに分がある。クリアやブロックの数ではベシーノが上回った。守備戦術にうるさいイタリアにおいてもサッリ監督は細部まで詰めるタイプで、鎌田は守備面でもベシーノを上回りたいところだ。
実際、ミリンコビッチ=サビッチは守備のほぼ全ての項目でベシーノを上回っており、ここはセリエAで成長が求められるポイントかもしれない。
攻撃
攻撃面では鎌田がベシーノに圧勝。ほぼ全ての項目で鎌田が上回っている。ただ、それをさらに上回っているのがミリンコビッチ=サビッチといった印象。パス成功率はベシーノがトップだが、これはプレーしているポジションの影響もあり、よりリスクのある位置で勝負する2人の成功率が下がるのは自然なことだ。
また、身長も大きなポイントになるかもしれない。ミリンコビッチ=サビッチは192cm、ベシーノは187cmと長身で、これはラツィオにとって大きな武器。セットプレーだけでなく、ラツィオは2人の空中戦の強さを信じて中距離のハイボールを使うことも多く、一つのオプションだった。184cmの鎌田にそれを求めるのは酷で、サッリ監督も頭を悩ませるところではないだろうか。
レギュラーの可能性は十分だが課題も
リーグもポジションも違うため単純な比較はできないとしても、鎌田は十分にベシーノからポジションを奪えるはず。ただ、2022/23シーズンのレギュラーだったミリンコビッチ=サビッチは、攻守両面でベシーノ以上だったことは間違いない。
スタッツだけを比較すれば、攻撃重視なら鎌田、守備重視ならベシーノという起用法がイメージできる。これからどのような適応を見せるかに注目したい。
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