インテルなどで活躍した34歳のCBがスパイクを脱ぐ
アンドレア・ラノッキアが22日、現役引退を表明した。自身のSNSを通じて発表している。
ラノッキアは昨季限りでインテルとの契約が満了し、7月にモンツァと2年契約を交わした。しかし、第2節ナポリ戦で負傷。長期離脱となっていた。そんな中、21日にモンツァとの双方合意による契約解除が発表されていたところだ。
ラノッキアは自身のインスタグラムに動画を投稿。その中で次のように語っている。
僕がカルチョを始めたのは、今から30年前だ。すごく情熱を持ってやっていた。友達と一緒に初めて、今まで続けてこられた。最高の日々だったよ。強い友情も育めたし、楽しくカルチョができた。
幸運なことに、その情熱を仕事にすることができた。一日一日、毎シーズン、本当にいろいろな経験ができた。多くの仲間とともに過ごして、その思い出と経験はずっと僕の中に生き続けている。
カルチョを始めると、そこからいろいろなことに遭遇するものだけど、僕は運が良くて、良い経験をさせてもらった。その経験があるからこそ、いろいろなステップがある。気乗りしなくてもう辞めようかという日もあったけど、モンタネッリ監督に出会って、ストライカーだった僕はセンターバックを任された。昨日まで続いた僕のカルチョの第2のステージだね。この動画を通じて、彼を含めたユース時代の恩師たちにも別れを伝えたかった。
それからプロになって、本当の意味でのハードワークが始まった。でも、僕にとって一番大事なことは変わってなかったんだ。いつだって僕は情熱で動いていたし、いつだって楽しんでいた。アレッツォでは幸運にもアントニオ・コンテと出会えた。彼が変えてくれたよ。彼は僕を受け入れて理解し、成長させてくれた。彼は選手をプロフェッショナルに、そして勝者にしてくれる監督だ。彼と会うときと別れるときでは、もう同じ人じゃなくなっているものだよ。運良く彼に会うことができた。全てが新鮮で、大きな家族だった。とても楽しくて、リラックスした時間を過ごせた。ロッカールームでもチームメートでも、たくさんの仲間がいて、それぞれが僕に何かしらを与えてくれた。信じられないほど成長させてもらったよ。
そして、昨日正式に別れることになったモンツァにも感謝したい。インテルでも代表でも、長年にわたって最高の仲間たちとプレーさせてもらった。このレベルに達するには、努力を重ねて汗をかくしかない。十分じゃなかったこともあるけど、僕にとっては十分すぎるほど幸運だったんだ。
出会った全ての人に感謝しているけど、特に裏で大きな家族を支えてくれる人たちには感謝したい。みんなに与えられたものがあるし、僕からも何かを与えられたと思っている。そして家族への感謝も伝えたい。妻と子供、こちらはキャリアの最後だけど、すごくサポートしてもらったし、僕の喜びだった。
数カ月前にそのときはきた。1年半前くらいからあまり良い感じではなかった。僕に近い人は知っているけど、少しずつ情熱は薄れてきていた。去年の5月、僕がインテルにいたときだね。何かおかしい、何か分からない、でも何かおかしい、ってはっきりと衰えを感じたんだ。だからインテル、ミステル、ディレクターと話して、お別れすることに決めたんだ。新しい刺激を求めるためにもね。
そんなとき、ありがたいことにモンツァから声が掛かった。ガッリアーニさん、アントネッリさん、ベルルスコーニさんに感謝しているよ。僕を信じてこの機会を与えてくれたのだからね。
ただ、シーズンが始まっても調子は思っていたほど上がらず、納得いかないこともあった。最初は受け入れたくなかった。30年間情熱を持ってやってきたことが、突然離れていってしまったようでね。それでも集中して続けていこうとしたけど、もう自分に出せるものはないと感じて、自問自答していた。そんなときにナポリ戦でケガをしてしまった。
復帰に向かう情熱と意思がなければいけない。でも、僕を信頼して契約してくれたクラブをだますことはできなかった。僕は何をするにしても、100%を注ぎたかった。それができないのであれば、だますことはできない。だからガッリアーニさんと話して、この不安を伝えた。ガッリアーニさんはとても紳士で、ちゃんと理解してくれた。友人としてリスペクトを持って、この契約解除に至ったんだ。
いまは僕の時間だね。時間をかけて、自分の情熱や考えを取り戻したい。再びカルチョをプレーすることはないだろう。ほかのことをじっくり楽しんで、それから決断しようと思っている。それが僕の想いだ。僕の感じたことを伝えて、みんなに感謝したかった。僕は本当に幸運だった。すごく良かったよ。