イタリア7部に相当するプリマ・カテゴリアで、監督が審判を殴るという前代未聞の事件が起きた。これを受けて、この監督はカルチョの世界から退くことを決めている。9月27日に『スタンパ』などが伝えた。
大きな話題になったのは、カルピニャーノ対オレッジョ・カステッロの一戦。判定に不満を持ったカルピニャーノのジョヴァンニ・アロージ監督が主審に抗議をして退席を命じられると、そのまま顔面をグーでパンチ。ピッチ上は騒然となった。
このトラブルは、スポーツ裁判所が調査を開始すると同時に、ノヴァーラの警察も聴取を行う事態となり、アマチュアチーム指揮官の周囲はガラリと変わってしまったようだ。
アロージ監督は、この騒動について、「正当化するつもりはない。責任を取る。私にできることは謝罪のほかになかった。試合後に審判に声をかけ、落ち着いた中での対立があった。ただ、私のリアクションは言葉では言い表せない。残念だが、過去に戻ってやり直すことはできない。自分を非難し、カルチョから身をひくことにした。もうカルチョの一部であるのにふさわしくないからだ」と話した。
なぜ審判を殴ったのかを問われると、「物議をかもすジャッジは毎週末グラウンドで起きている。私はあのとき、すでに抗議で警告を受けていた。一瞬のブラックアウトだった。スポーツとは関係のない一瞬のブラックアウト…。直後に私は自分が間違えたことに気づいた」と述べている。
全面的に自身の非を認めている指揮官だが、どうしても受け入れられない問題があるという。
「私が一番つらいのは、家族を困らせていることだ。私のことを知らない人が、SNSで恐ろしいほど粘着してくる。娘のSNSも特定され、侮辱や脅しのメッセージが届いている」
「私の行動は恥じるべきものだ。だが、これはどうにかしなければいけない。私のしたことは許されるものではなく、許しを請うことはしない。でも、もう私は空っぽだ。この拷問が早く終わることを切に願っている」